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フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

31. ブログのお引越し

ブログのお引越しをしました。
 
この春から住んでいる鎌倉のおはなし、
映画や本のこと、世界を旅して感じたことなど、
日常のちいさなわくわくを綴っていきます。
 
こころとからだをほぐして、東京を、日本を飛びだしてみる。
 
読んだあと、すこしだけ、自由なきもちになれますように。

30. 鎌倉のパン屋さん①みゆきぱん

この街に住んでよかったと思えることのひとつに、 おいしいパン屋さんがたくさんあること。

通いたくなるパン屋さんが近所に1軒あるだけでも、日常の小さな楽しみになるのに、鎌倉には、おっ!となる、愛されパン屋さんがいくつもあります。

パンの種類、かたさ、大きさ、お店の雰囲気もぜんぜんちがうから、その日の気分で食べたい味を探しに行くことにしています。

それでも、お店にはいった瞬間、ふわぁっとあたたかで、やさしい空気に包まれて、とびっきりのしあわせを感じてしまったのは、みゆきぱん。 由比ヶ浜通りにたたずむ、週3日しか営業していない小さなパン屋さんです。

店主のみゆきさんは、とってもあたたかな雰囲気の小柄な女性。みゆきさんのいる、みゆきぱんは、とびっきりハートフルで、こんな素敵なお店があることがうれしくてたまりませんでした。

こじんまりとした店内は、やさしいパンの香りが広がって。 手のひらサイズのパンがショーケースに、愛らしく並んでいて、そのとき500円しかもっていなかったので、3つだけ。かなり真剣に選んでしまいました。

毎週営業日は変わるから、FacebookかWebサイトで調べてからいかなきゃいけません。でも、そんな手間すらも愛しい、愛すべき鎌倉のパン屋さんです。

29. 鎌倉に暮らしはじめて

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帰国して、あっとゆう間に、4か月。

東京にもどるなら、せめて住むところはこだわりたい。 自然をそばに感じられるところに、と、神奈川育ちの彼に懇願されて、帰国早々、鎌倉の町に暮らしはじめました。

30年近くずっと東京に住んできたわたしも、フィンランドの暮らしが思いの外、肌にあっていたので、日本でも、自然に囲まれたところに暮らしてみるのも良いかもしれないな、と思いました。 東京の便利さを、意識することがないくらいにまで慣れてしまっていたけれど、住む場所が変われば、その街が「スタンダード」になる。

わたしにとって、鎌倉といえば、鶴岡八幡宮で生まれて初めて大凶をひいた記憶と、ぎゅうぎゅうづめの小町通と、紫陽花と、小津安二郎の映画くらい。 つまりほとんど、本来の良さを知らないところからのスタートでした。 (でも、ここは言葉も通じるし、-25℃になることはないだろうから、きっと大丈夫!)

暮し始めて、すぐに感じたこと。 鎌倉の人のものさしは、東京の人のものとは、ちょっと違うようです。 そして、穏やかでのんびりとした空気は、どことなくフィンランドと似ているものがあります。

こだわりをもって、人生を楽しむこと。 暮らしを大切にすること。心の声に敏感であること。

これから、たっぷりと時間をかけて、この町のいいところ探しをしていきたいと思います。

28. 街の中心に、くつろぎの広場

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ヘルシンキ中央駅のすぐ近くにあるキアズマ現代美術館。 毎月第1金曜日の夕方は無料で入れるので、ちょうど最近はじまったばかりのブラジル人アーティスト、エルネスト・ネト(Ernesto Neto)の企画展を見に行ってきました。

いっけん編み物のようにも見えるアート作品ですが、こちら布の切れはしを結って作られた、美術館ワンフロア分のピクニック広場なのです。

ハンモックや、テント、壁にも植物や動物のアートがされていて、 春めいた温かな空気の流れる会場でした。 まだまだ冬の寒さがのこっているフィンランドの人たちにとって、 春夏のピクニックなんて、たまりません!

テントをのぞいてみると、こどもから大人まで、 たくさんのフィンランド人たちが、ここぞとばかりにくつろいでいる光景が目に入ってきました。 足をのばしたり、寝っ転がって天井をみあげながらおしゃべりをする人たち(わたしたちも)、会場においてあるギターを弾いてみる人、たのしそうにかけまわる子どもたち。

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外はまだまだ寒いのに、とってもおだやかで、心の休まる空間でした。

いつか日本にも大きなピクニック広場、巡回してこないかな~。

27. フィンランドの暮らしに教わった3つのこと

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約9か月のフィンランド暮らしも、もうすぐおしまい。
ゆったりとした時間のなかで、たくさんのことを考えました。
 
生まれ育った東京の街や、昔住んでいたフランスのパリとはまったく似ていない、北欧フィンランドヘルシンキに暮らしてみて、すごく新鮮だったことも、しみじみいいなと感じたこともたくさんありました。
 
とくに大きかったなと思うことを3つ。

 
●ほんとうの意味で、「平等」ということ
 
外国人であっても、とっても居心地がいいし、
年齢や、職業や、出身地や、性別で、色眼鏡でみられることもなく、
個人が個人として、対等に見られているような実感がありました。
 
世界中をみわたしても、こんな国ってなかなかありません。
 
フィンランドの人たちは目がとっても澄んでいて、
邪気を感じないといったらちょっと大げさかもしれませんが、
大人でも、見ためはちょっといかついパンキッシュな人たちも、
やさしい目をした人が多いのです。
 
そんなところにも、社会の空気が与える影響があるのかもしれません。
 
●自然によりそって暮らすこと

 
夏はたくさん太陽を浴びて、日が長いぶん、よく運動をしたり、よく遊んで、
冬は暗くなるのも早いので、お家のなかで暖をとって、ゆっくり過ごす。
シンプルだけど、ていねいな暮らし。自然や、人間のからだとしっかり向き合って生きている人たち。
 
ヘルシンキの街で暮らすようになってから、
緑や草花の色やかたち、海や湖など、自然の変化や、季節の移り変わりに、よく気がつくようになりました。
 
●シンプルでじゅうぶん

 
暮らしがシンプルになってくると、自分にとって欠かせないものや
意外となくてもやっていけるものが、はっきりとしてきます。
そうすると、あれもないこれもない、とストレスに感じるのではなくて、これがあればあれもできる、と工夫したり、プラスのきもちに変わっていくことに気がつきました。
 
ほんとうにやりたいこと、大切なものが
ひとつふたつ、はっきりしていると、ずいぶんスッキリと暮らせるようになります。
 
フィンランドの飾らない暮らしのなかで、
こころがヘルシーになった気がします。
 
*

フィンランドに教わった、3つの暮らしやすさのひみつ。
東京に帰ってからも、たまに思い出そうと思います。

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