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フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

47. 中嶋浩子さんの個展

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フィンランドで知り合ったテキスタイルデザイナーの中嶋浩子さんの個展が、代々木八幡のCASE GALLERYで開催されています。土曜日のオープニングにお邪魔してきました。
 
フィンランド、ドイツ、フランスで活動をされ、数理模様といって数式をもとに図案をつくっていく、とってもユニークなことをされている浩子さん。
 
ご本人は、しゃべらせないともったいない!会うたびに「本業、何だったっけ?」と思ってしまうほど話し上手で、ゆかいな気持ちにさせてくれる、人柄がたまらなく魅力的なお姉さんです。
 
以前、こちらのブログでもすこし書いていました。
13. ヨーロッパにいる日本人 - uzocotrip
 
ほんのりバウハウスを感じる、どことなく男性的なかっこいいデザインと渋い色合いがおしゃれで、いろんな可能性が秘めている浩子さんの世界。数理模様のテキスタイルをこれからどんな風に展開していくのか、今後のご活躍とっても楽しみです。
 
フィンランド好きのオーナーさんがフィンランドに縁のあるアーティストにこだわって展示をしているCASE GALLERY。5月3日(水)までやってるので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください♪
 
case1823.blogspot.jp

46. 『彼らが本気で編むときは、』

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生田斗真さんが主演。トランスジェンダーの女性とそのパートナーの暮らしを中心に、いろんな家族愛が描かれる人間ドラマ。
 
トランスジェンダーの映画といえば、数年前のグザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』が記憶に新しいけれど、邦画ではめずらしい。だから、監督が『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子さんと聞いて、そのイメージのギャップにすっかり期待度があがってしまいました。
 

ふつうってなんだろう? 異常ってなに? 親になることって、どういうこと?
この映画を見ながら、ぐるぐると頭の中でいろんな愛のかたちを考えていました。
 
からだの性とこころの性がちがうこと、
同性を好きになること、
異性も同性も好きになること、
 
それは、さわぎたてるほど特別なことでも、
隠さなきゃいけないほど後ろめたいことでもないのに、
日本の社会だとちょっとむずかしい。
 
でも、この映画を見ていると、劇中にでてくる身勝手な母親たちよりもずっと、 リンコさんの方がよっぽどふつうの感覚で、人としてのやさしさと愛に溢れているように感じてきます。
 
心の綺麗さが、こんなにも外見に現れるものなんだ、とハッとさせられるほど、 生田さん演じるリンコさんが美しい。
 
本作のインスピレーションとなっているのは、荻上監督自身のアメリカ生活での体験。それもあって、LGBTの人たちの心情がとってもリアルで、繊細に描かれています。
 
トランスジェンダーを主題にしつつ、
自分の価値観を子どもにも押しつけようとする親や、
母親としての責任からたまに逃避してしまうシングルマザー、
トランスジェンダーの娘を、誰よりも大きな愛でうけとめる母親など、
いろんな「お母さん」が描かれる作品でもあります。
 
スペシャルなようで、どこにでも起こりうること。
きっと見る前よりも、見終わった後、人にやさしくしたいと思える、そんな映画です。

45. 四季を感じる鎌倉の暮らし

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鎌倉に越してきて、東京での暮らしとのいちばんの違いは、
フィンランドの暮らしとも共通するところで、
自然のめぐりを肌で感じることができるということです。
 
春は桜、梅雨はあじさい、夏は海と花火、秋はもみじ、冬は初詣と梅など、
鎌倉にいると、季節の風物詩をごく身近に感じることができます。
 
鎌倉には、見渡せるところに山があり、街中にたくさんの緑や野川もあるので、
季節の花に目がいったり、虫や動物の鳴き声に気がついたり、山の木々の様子の変化をとおくから眺めたり。自然のリズムを気にかけるようになったのも、わたしにとって、おおきな変化でした。
 
駅の近くには、レンバイという呼称で呼ばれる、
近隣の農家さんたちがとれたての鎌倉野菜を売ってる市場があります。

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そこでは季節の旬の野菜がおかれるので、旬の食材を意識してとりこむことができます。色とりどりのニンジンや大根。根菜が多く並ぶ時期もあれば、葉物ばかりのときも。この歳になってはじめて出会う野菜もレンバイにはちらほら。だから、食材選びがとっても楽しい!
 
こどもの頃は学校でひと通り、日本の伝統文化や季節行事にも触れたはずなのに、社会人になってからは、1週間がめまぐるしくて、いつの間にかあまり季節を深く感じることなく過ごしていました。
 
でも、1年のほとんどが冬という北国のフィンランドで暮らしてみて、四季の彩りをはっきりと感じることができる日本は、そういう意味で、ほんとうにめぐまれているんだなと、じわじわと感じます。
 
あまりふだんは気がつかない小さな自然の変化に目を向けてみると、
ちょっと気分も変わってくる。そんなことにありがたみを感じるこの頃です。

44. 鎌倉に暮らしてみて感じたこと①

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鎌倉に引っ越してきて、来月末で1年が経ちます。
「鎌倉の暮らしって、どう?」とたまに聞かれるので、いまのわたしだったら何て答えるかなぁ、とすこし考えてみました。
 
まず、居心地の良さ。
空がひらけていて、山も海もそばにあるからか、
心がおおらかでいられる気がします。
東京にいたときの、ぎすぎすした感じや、すり減っていく感じがなくなって、
環境によって、自分のこころがずいぶんと楽になることを知りました。
 
鎌倉は、ほどよく田舎で、ほどよく街なので、
自然を感じながらも、カフェやお買いものを楽しめるところも好きです。
 
鎌倉=観光地=にぎわってるというイメージをもたれがちだけど、
そのほとんどは、小町通りから鶴岡八幡宮のエリアと、長谷寺周辺のこと。
 
鎌倉駅西口にでると、ローカルな雰囲気の漂う御成通りや、
おしゃれな個人店がぽつぽつと並ぶ由比ヶ浜通りは、町歩きがとっても楽しいし、
海よりの材木座は、昔ながらの風情がのこる、のんびりとした静かな住宅地。
北鎌倉や金沢街道も、またひと味、景色が変わります。
 
有名な小町通りは、とにかく観光客でにぎわっていて歩くのも一苦労という感じですが、逆に言うと、その他のエリアは、もっとずっとおっとりしていて、素朴で、住んでいる人たちが鎌倉らしさを感じるのは、そうゆうところなのではないかなと思います。
 
昔からの風習や古都の文化も大切にされながら、新しい風も吹いている街。
変わらないようで、変わっている。
その塩梅がちょうどいいから、きっとヨソモノのわたしたちにも心地よいのだと思います。

43. 『ラ・ラ・ランド』

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こんなにきもちよく「好き!!!」と言い切れる、
心がおどる映画を久しぶりに観ました。
 
たった一度でも、なにかに憧れたり、夢を見たことのある人なら、
きっとこの映画に心を奪われてしまうはず。
 
『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の最新作で、けっこう好きな俳優でもあるライアン・ゴズリングと、エマ・ストーンが主演。この組み合わせだけでもおもしろそうなのに、ロサンゼルスを舞台にした夢追い人たちを描いたミュージカル映画という内容も、さらに期待が高まります。
 
個人的には、ミュージカルといえば、やっぱり60年代のフランスのジャック・ドゥミ監督!大学の卒論のテーマにしたほど、思い入れのある大好きな監督ですが、チャゼル監督もクラシックのフレンチミュージカルに憧れていたそうです。
 
それを聞いて『ラ・ラ・ランド』を見ると、衣装や色使い、ストーリー展開など、映画のふしぶしにドゥミ作品への愛を感じる要素もあって、いろんな楽しみ方ができました。
 
とってもオリジナルで、現代的で、新しいタイプのミュージカル映画
ミュージカルというと、退屈しちゃう、眠くなる、という声も聞こえてきそうですが、『ラ・ラ・ランド』はストーリーもしっかり楽しめるし、全編をとおして色鮮やかな映像が見ごたえあり、とにかくテンポが良いので、見ていて飽きさせない作品にしあがっています。観終わったあと、踊りたくなりました♪
 
情報にあふれていて複雑ないまの時代に、
こんなにストレートに夢見ることの素晴らしさを表現してくれる
すてきな作品に出会えたことがうれしいです。