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uzocotrip

フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

32. 小値賀の旅

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長崎の佐世保からフェリーで1時間。
五島列島の北部に位置するところにある、東シナ海に浮かぶ小値賀島(おぢかじま)。
人口3000人ほどの小さな島に、海の日の連休に行ってきました。
 
「あゆちゃん、今度この島に行ってみようか。」
ある日突然、島の観光サイトとともに、彼から送られてきたメール。
 
何やら、島の人たちのお家で暮らしを体験できる民泊が大人気で、アメリカの高校生の修学旅行先になっていた時期もあったほど。
IターンやUターンで、帰省したり移住をする若者も少なくなく、このご時世なのに、出生率も2桁だというのです。
 
若い人たちが増えてきて、観光などにも島をあげて力を入れているので、
Webサイトもなかなかおしゃれ。
http://ojikajima.jp/
 
古民家にも泊まれますが、せっかくなのでわたしたちは2泊とも民泊を利用することに。民泊の手配は、島の観光協会をとおして行われます。
さらに、泊まるお家によって、漁業体験や島のお料理づくりなど、小値賀のおじちゃんやおばちゃんと一緒に、島の暮らしを体験することができるのです。
 
わたしたちが泊まったのは、1日目は精米所を営んでいるご夫婦のお宅、
そして、2日目は漁師さんのお宅にお世話になりました。
どちらも、長く民泊をされてきたベテランさんのご家庭で、
畑いじりをしたり、夕ごはんづくりをお手伝いしたり、アジ釣りをしたり、車で島を案内してもらったり、ほんとうによくしてもらいました。
 
びっくりしたのは、この島の自給自足ぶり!
新鮮なお魚のお刺身や天ぷら、お手製のつくねにフライなど、
食べきれないほどのごちそうを、「いつもどおりの夕食でね」とてきぱき準備をしてくれたお母さん。
 
買ったものはほとんどないのだそう。
お野菜は、畑でとってきたものか、友だちにもらったもので、お魚も釣ってきたものだとおっしゃっていて、自給自足で暮らしている人たちをはじめて目の当たりにしたわたしは、おどろきと感動でいっぱいでした。
 
食事の後は、民泊の歴史もいろいろとお話をしてくれて、もともとは、遣唐使のころあたりから、外国から日本にくる船が、食料調達などの中継地点として小値賀に立ち寄ったのだそう。なので、よそからくる人たちを温かく受け入れる土壌が、昔からこの島にはあったのだそうです。
 
たしかに、外国人観光客もよく見かけたし、島の人たちは旅行客にも慣れているようで、いい意味で、風通しのよさを感じる島でした。
 
印象的だったのは、2日目におじゃまさせていただいた民泊のお母さんの言葉。
「民泊をしてよかったのは、小値賀の人たちが「この島はよかとこね」と気づけたこと。それがいちばんしあわせなことだし、いいことよね。」
 
その言葉には、島のことをあまり知らないわたしが聞いても、
ほんとうにぐっとくる、深みのあるひとことでした。
 
住んでいる土地に愛着をもつこと。
住人に愛されている街に暮らすことのきもちよさ。
これは、フィンランドの暮らしや、今住んでいる鎌倉の人たちを見ていても、強く感じていたことで、東京に生まれ育ったわたしが、ずっとうらやましく思っていたものでした。
 
日本の長崎の片隅で、
こんなに人間の営みのきほんてきな部分だけで、
ていねいな暮らしをしている島があるだなんて。
 
日本の宝物だなと思いました。

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