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フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

5. 白夜のフィンランド

大学生のとき、留学先のパリで「Nuit Branche(ニュイ・ブランシュ、白夜という意味)」というアートイベントがありました。
パリのあちこちのギャラリーや美術館がその日は一晩中無料で開放されていて、友だち数人に連れられて、夜のパリをお散歩しました。
 
わたしのなかで「白夜」という言葉は、自然現象というよりも、
眠れないこと、眠らないこと、徹夜の比喩のようなイメージでした。
 
それが、ヘルシンキにきて、はじめての白夜を体験!

 
春に来たばかりのことはあまり覚えていませんが、
それでも日に日に、昼の時間が長くなっていくのを感じました。
 
夏のヘルシンキは、毎日9~10時くらいまでは明るくて
夜も真っ暗にはなりません。
 
友だちの家でごはんのあとに長居をしていて、
そろそろ夕陽が沈み始めるころかなと時計をみると
もう夜の10時を過ぎていたり。
 
旅先から夜の便でヘルシンキに帰ってきたら、
街についたのはもう深夜ちかくなのに、夜明けのような薄暗さで
まっくらになりきらない、とても不思議な、幻想的な空。
 
「白夜って眠れなくならない?」と両親にも心配されましたが、
そのあたりはまったく問題ありませんでした。
 
おもしろいと思ったのが、
日が長いぶん、フィンランド人は冬より夏によく遊ぶのです。
朝早い社会人にしてはけっこうタフなスケジュールじゃないかな?と思っても、夏がみじかくて貴重なぶん、太陽の明るい季節をおもいっきり、満喫したいのだと。
 
自然を中心に暮らしを考える、こんなところにもフィンランド人らしさを感じたのでした。