21. ボトルミュージックの出稼ぎのおじさん
はじめてヘルシンキを案内してもらって、街を歩いていたとき、
ストックマンのならびの通りで、鉄琴に似た、なつかしくって、とてもここちのいいメロディが聞こえてきました。
その音がどんどん近くなっていくと、
そこには、水のはいったガラス瓶でつくった楽器を奏でている
ピエロのおじさんがいました。
ずっと聞いていられるようなやさしい音色と、
ピエロのおじさんの、すこしもの悲しそうな表情が離れがたく、
しばらくじっと見ていました。
ロシア人で、週末だけ出稼ぎにきているのだと、
彼が教えてくれました。ヘルシンキでは有名な人なんだそうです。
でも、たしかに、まずあの楽器がインパクト大!
演奏もとっても上手なので、街中で楽器をひいている人たちのなかでも
とくに心惹かれるものがありました。
ピエロのおじさんはいったい何者なんだろうと、すっかり気になって仕方がありませんでした。
すわっていた楽器のケースにはwebサイトのURLが…!
http://bottles4music.com
あとでわかったのは、ピエロのおじさんの正体は、Fedor Grigorevさんという人でサンクトペテルブルク出身だということ。そんなにおじさんでもなく、いつもピエロの格好をしてるわけじゃないということも。
それにしてもすごい!
週末のストックマン横、わたしのヘルシンキお気に入りスポットです。