uzocotrip

フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

57. 『ドリーム』109シネマズ湘南

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アメリカに出張中の彼が、飛行機で見た『ドリーム』という映画がものすごく良かったと知らせてくれたので、先日わたしも近くの劇場に見に行ってきました。
 
じつは彼に聞くまでタイトルすら知らなかった本作ですが、インターネットで調べてみると、 3人の黒人女性の夢と決意あふれる眼差しのビジュアルがとても印象的。アメリカのNASAのお話で、実話がもとになっているところにも興味をもちました。
 
舞台は、60年代初期のアメリカ。ソ連との冷戦のまっただなかに宇宙開発競争を繰り広げている時代。 まだ、人種差別が色濃くのこっているアメリカのNASAで、差別や冷遇にめげずに、夢へのチャンスを伺いながら働き続ける黒人女性数学者たちがいました。
 
幼い頃からずば抜けた数学力で天才少女といわれ育った秀才のキャサリン、技術部に転属が決まりエンジニアを夢みるメアリー、同僚の黒人女性たち全員のキャリアを見守るリーダー的存在のドロシー。それぞれ家庭をもつ妻であり母である彼女たちが、自分自身の夢のため、そして黒人女性の権利のために立ち上がるーーー。
 
 
始まりから終わりまで、3人の主人公たちがばつぐんにかっこいい!
傷つき、怒っても、自分たちの主張をはっきりと言葉にする姿は、同じ女性としてもとっても憧れます。ひとつひとつの台詞に筋が通っていて、あたたかく響くものがあり、脚本がすばらしいと思いました。
 
当時は白人と有色人種で、仕事の建物も別、トイレも別、図書館も学校もバスも別。職場では、コーヒーポットまでも。人種差別のことはあまりよく知らないけれど、この世の中にはまだ名残があるのかなと想像すると、いたたまれない気持ちになりました。
 
でも、それ以上に、この映画で描かれている女性たちのダイナミックなパワーや、差別の時代に彼女たちをサポートした人物らに敬意でいっぱい!
 
NASAで歴史を塗り替えた女性たちの、純粋に仕事を楽しむ姿や、夢を諦めない意志の強さをまぶしくかっこよく描いた本作は、人種差別の背景を越えて、すべての働く女性や夢みる人たちに希望を与えてくれるのでは。
 
たくさんの人に見てほしい作品です。