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フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

73. 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』109シネマズ湘南

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夫くんが、子どもを連れて昼から飲み会に出かけたので、3か月ぶりに映画館を解禁!
『フランシス・ハ』以来、すっかり友だちのような親しみを感じるグレダ・ガーウィグが監督・脚本を手がけた、こちらの映画を見てきました。
 
19世紀後半に書かれたルイーザ・メイ・オルコットの自伝的小説『若草物語』を原作にしたもの。南北戦争時代のアメリカで、父親は従軍医師として出征し、母親のもとで暮らすマーチ家の四姉妹の物語。
 
結婚が幸せと信じる長女・メグ。ピアノを愛する心優しい三女・ベス。お金持ちに憧れる末っ子のエイミー。そして、作者の分身でもある、作家志望で男勝りな次女・ジョー。映画では、四姉妹の少女時代と、大人になった彼女たちの現実が、織り合わさってスクリーンで描かれます。
 
お父さんの帰りを待つ、女だらけの家族の時間は、喧嘩もありながら、いつもにぎやかで、温もりあふれる雰囲気。
そして大人になった四姉妹は、それぞれの立場でしあわせも苦労もあって、悩みながらも少女時代の心を大切に、もがきながら今を生きていますーーー。
 
 
子どもの頃、アニメでやっていたのを家族で見ていたこともあり、私にとって懐かしい、温かな記憶がよみがえる「若草物語」。
大人になって、久しぶりにあの物語に出会ったからか、監督のグレダ・ガーウィグの脚本のおかげか、今回の映画版「若草物語」は、びっくりするほど感動してしまいました。
 
ウィットに富んで、猪突猛進で、ちょっと不器用で、最高にチャーミング!
ジョン・マーチを愛さずにはいられません。
 
四姉妹の仲の良さ、家族の温かさ、困っている人を助けようとする慈悲の心など、ベースには、すごく道徳的なピューリタンの家族の暮らしが描かれているのですが、主題は「自分らしく生きたい」と願う女性たちの物語です。
 
監督のグレダ・ガーウィグは、幼い頃から原作が大好きで、ジョーに憧れて、人生のロールモデルにしてきたというほど、この物語の大ファン。「これまでのどの監督作よりも自伝的な作品」だと、思い入れの強さを語っていますが、実際に、映画を見ていると、おそらくグレダが書き足したであろうセリフの数々にぐっとくるんです。
 
ジョーを演じたシアーシャ・ローナンと、ローリーを演じたティモシー・シャラメは、監督の前作『レディ・バード』でも共演。
 
抜群のセンスで、150年間愛されたきた物語をあたらしく、おしゃれで楽しい、共感せずにはいられない作品にしあげてくれました。
 
こんな映画が今、見たかったんだ!