uzocotrip

フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

44. 鎌倉に暮らしてみて感じたこと①

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鎌倉に引っ越してきて、来月末で1年が経ちます。
「鎌倉の暮らしって、どう?」とたまに聞かれるので、いまのわたしだったら何て答えるかなぁ、とすこし考えてみました。
 
まず、居心地の良さ。
空がひらけていて、山も海もそばにあるからか、
心がおおらかでいられる気がします。
東京にいたときの、ぎすぎすした感じや、すり減っていく感じがなくなって、
環境によって、自分のこころがずいぶんと楽になることを知りました。
 
鎌倉は、ほどよく田舎で、ほどよく街なので、
自然を感じながらも、カフェやお買いものを楽しめるところも好きです。
 
鎌倉=観光地=にぎわってるというイメージをもたれがちだけど、
そのほとんどは、小町通りから鶴岡八幡宮のエリアと、長谷寺周辺のこと。
 
鎌倉駅西口にでると、ローカルな雰囲気の漂う御成通りや、
おしゃれな個人店がぽつぽつと並ぶ由比ヶ浜通りは、町歩きがとっても楽しいし、
海よりの材木座は、昔ながらの風情がのこる、のんびりとした静かな住宅地。
北鎌倉や金沢街道も、またひと味、景色が変わります。
 
有名な小町通りは、とにかく観光客でにぎわっていて歩くのも一苦労という感じですが、逆に言うと、その他のエリアは、もっとずっとおっとりしていて、素朴で、住んでいる人たちが鎌倉らしさを感じるのは、そうゆうところなのではないかなと思います。
 
昔からの風習や古都の文化も大切にされながら、新しい風も吹いている街。
変わらないようで、変わっている。
その塩梅がちょうどいいから、きっとヨソモノのわたしたちにも心地よいのだと思います。

43. 『ラ・ラ・ランド』

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こんなにきもちよく「好き!!!」と言い切れる、
心がおどる映画を久しぶりに観ました。
 
たった一度でも、なにかに憧れたり、夢を見たことのある人なら、
きっとこの映画に心を奪われてしまうはず。
 
『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の最新作で、けっこう好きな俳優でもあるライアン・ゴズリングと、エマ・ストーンが主演。この組み合わせだけでもおもしろそうなのに、ロサンゼルスを舞台にした夢追い人たちを描いたミュージカル映画という内容も、さらに期待が高まります。
 
個人的には、ミュージカルといえば、やっぱり60年代のフランスのジャック・ドゥミ監督!大学の卒論のテーマにしたほど、思い入れのある大好きな監督ですが、チャゼル監督もクラシックのフレンチミュージカルに憧れていたそうです。
 
それを聞いて『ラ・ラ・ランド』を見ると、衣装や色使い、ストーリー展開など、映画のふしぶしにドゥミ作品への愛を感じる要素もあって、いろんな楽しみ方ができました。
 
とってもオリジナルで、現代的で、新しいタイプのミュージカル映画
ミュージカルというと、退屈しちゃう、眠くなる、という声も聞こえてきそうですが、『ラ・ラ・ランド』はストーリーもしっかり楽しめるし、全編をとおして色鮮やかな映像が見ごたえあり、とにかくテンポが良いので、見ていて飽きさせない作品にしあがっています。観終わったあと、踊りたくなりました♪
 
情報にあふれていて複雑ないまの時代に、
こんなにストレートに夢見ることの素晴らしさを表現してくれる
すてきな作品に出会えたことがうれしいです。

42. 新しいいのち

お姉ちゃんの赤ちゃんが生まれました。
 
あたまも、手も足もちいさくって、
ふくふくしている、ちいさなひと。
 
おなかの外の世界にびっくりながら、
いっしょうけんめい声を上げて泣いていました。
 
それでも、あわてずに、ずっと赤ちゃんの目をみて、
まるでおなかにいたときと同じように、
やさしく話しかけているお姉ちゃんは、なんだか聖母さまみたい。
いまどんな気分なんだろう、とすこし想像してみました。
 
友だちの赤ちゃんが生まれたときは、
生まれてきた赤ちゃんを見て、かわいいとか、だれに似てるとか、
赤ちゃんのことばかり気にしていたけれど、
 
 
母親になるって、どんなことなんだろう?
 
 
はじめての姪っ子は、思っていた以上にかわいくって
赤ちゃんってこんなにもあったかな存在なのだとはじめて知りました。
 
これからきっと、たくさんのことが待っているけれど、
こんなにも祝福されて、家族がしあわせに浸れるのなら、
それだけでじゅうぶんだと思うのです。
 
ゆっくり、時間をかけて、おっきくなっていってね。

41. 鎌倉の週末の過ごし方

先日、友人家族を呼んで、我が家のお庭でお餅つきをしました。
 
彼がなにやら楽天臼杵の週末レンタルなるものを見つけたらしく、
土曜は子連れの会、日曜は大人の会にして、2日にわたってお餅つきで冬気分を満喫しました。
 
子どもたちは、初めてのお餅つきに、
「ぺったんぺったん」と楽しそうにはしゃぎまわって、
おとなたちは、ホットワインや日本酒を嗜みながら、ほろよい新年会ムード。
おなじ我が家でも、土日でまったくちがった雰囲気に彩られて、
どちらの日もすてきな思い出になりました。
 
じつは、家を探すとき、彼がまっさきにこだわってゆずらなかったことのひとつが、お庭のある家に住みたい、ということでした。
 
夏はバーベキューに、野外シアター。冬は焼き芋に、お餅つき。
人を巻き込んで、楽しいことをしたい。
 
もてなすことが大好きな彼に、「そんな人もいるもんだなぁ」と新鮮な眼差しを向けながら、わたしもいつもちゃっかり便乗して楽しませてもらっています。
そして、おそらく、家に遊びに来てくれる友人たちも、けっこう楽しそうにして帰ってくれます。
 
そういえば、
こうゆう時間、こうゆうきっかけって、
なかなか東京に住んで会社員をしていたときはなかったなぁ、とふと思いました。
 
お金をかけるわけでもなく、特別なごちそうがでてくるわけでもないけど、
広々とした空と緑いっぱいのところで、大好きな人たちとごはんとおしゃべりを楽しんで、のんびり過ごす。
 
ただそれだけなのに、ずいぶんとからだのビタミンになる気がします。

40. 『幸せなひとりぼっち』新宿シネマカリテ

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今年の映画初めは、スウェーデン映画のこちらの作品。
チラシのデザインに惹かれて、はるばる新宿まで観に行ってきました。ちょうどサービスデーで満席!
 
たったひとりの良き理解者だった奥さんに先立たれ、近隣からは変わり者として厄介がられている、偏屈なおじいさんの物語。
 
悲しいことが重なって、見捨てられたようなきもちになっても、
そっとしておいてくれるわけでも、急にしあわせがおとずれるわけでも、ありません。
 
でも、いろいろなことが忙しなくやってくるなかで、
そこには新しい風も吹いてくることを、この作品は教えてくれました。
 
人にやさしさや思いやりを伝える術を知らない不器用なおじいさん。
だからこそ、子どもたちや動物にやさしくする姿がとってもピュアに映り、切ないきもちでいっぱいになりました。
 
すこしばかりお騒がせでも、
あんな風にご近所さんたちから愛される老後がおくれたら、とってもしあわせだろうな。