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フィンランドから鎌倉へ。暮らし、旅、映画にまつわる日々のメモ

26. レトロさがちょうどいい、坂の上のリスボン

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2週間後に帰国をひかえ、
フィンランド生活最後の旅に、ポルトガルリスボンへ行ってきました。
 
あたたかいお天気と、
おいしいごはんを楽しみに。

 
10年前、家族といっしょにパリから足を伸ばしたときは
サン・ジョルジュ城からの眺めはたしかにきれいだったけれど、
ほかに記憶にのこっているのは、観光名所のよれよれのエレベーターにのったこと、ファドの音楽を聴いたこと、フランスより田舎だなと感じたこと。
当時高校生でまだまだこどもだったわたしは、
この街の魅力に気づくことができませんでした。
 
10年ぶりに、じぶんの足でおとずれたリスボン
とにかくかわいらしくって、町全体にどこか懐かしみを感じる、
親しみのわく街でした。
 
パリのモンマルトルと似た旧市街、石畳の路地、
魔女の宅急便のような、坂の上から見下ろす景色、
南欧らしいカラフルな色づかいと、庶民的な雰囲気。
アパートの壁やインテリアなど、あちこちで目にするきれいなアズレージョ(タイル)。
ラテン系の小柄なおじちゃんやおばちゃんたち。
坂道をかけおりる、レトロなちっちゃいトラム。

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南フランスのニースを、もっともっと下町にした感じの街並みで、
町歩きがとにかく楽しいところでした。
 
すっかりこころを奪われたのが、ポルトガルの料理!
日本以外で、こんなに日本人の口にあう料理はないのでないかと思うくらい、
この国のごはんはとってもおいしかったです。
 
地中海の新鮮な魚介をつかったお料理も
オリーブオイルをたっぷり使っているものの、
イタリアンやフレンチほど、こってりとはしていなくて。
スペイン料理とも、またひと味違った、ポルトガルのごはん。
 
地球の裏側で、こんなに日本と似た味に出会えるなんて、
いっきにポルトガルへの親しみがアップ…!
いつかまた、だいすきな人たちを連れて、おとずれたい街です。

25. 「北欧」イメージってなんだろう?北欧4か国くらべ

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北欧デザイン。北欧雑貨。北欧の暮らし。
最近、盛り上がっているらしい日本での「北欧」ブーム。
 
でも、あの「北欧」のイメージっていったいなんだろうね?
という話を、彼とよくします。
 
というのも、北欧にふくまれる4つの国、
デンマークノルウェースウェーデンフィンランド
実際に行ってみると、どの国もひとつひとつ個性的で、まったく似ていないように感じられたからです。

こちらの記事を読んでふむふむ。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/abumiasaki/20160130-00053973/
 
日本では、北欧全体でのイメージづくりがされがちですが、そこにはおさまりきらない、それぞれの国の良さがあるのになとも思ったりしました。
 
そこで、旅行で4か国に行ってみて、見て感じた範囲ですが、
個人的なそれぞれの国の魅力をかんたんに紹介したいと思います。
 

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デンマーク Danmark
デンマークは、アルネ・ヤコブセンをはじめ、今でも愛され続けている北欧家具がたくさん生まれた国なので、まずはそのイメージが強いですが、建物の雰囲気や人の感じのよさは、どちらかというとオランダによく似ています。とても観光しやすい国です。世界最古の遊園地チボリ公園があったり、ニューハウンのカラフルの街並みなど、おとぎの国というイメージがぴったり。いつか行くときには、ぜひルイジアナ現代美術館にも足を運んでみてください。

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ノルウェー Norway
ノルウェーの魅力は、なんといってもその大自然にあります。スウェーデンフィンランドが森と湖しかないのにたいして、ノルウェーにはほんとうに美しく青々とした山やフィヨルドがたくさんあり、自然やアウトドアが楽しめます。ベルゲンの港町は神戸とも似た雰囲気ですてきです。モダンでおしゃれな北欧イメージをもっている人にこそ、一度行ってみてほしい国です。
 

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スウェーデン Sweden 
スウェーデンは、かつての北欧の大国らしく、スタイリッシュで洗練された都会があります。ストックホルムにはハイセンスなお店やカフェが並んでいて、都会的な雰囲気が好きな人にとてもおすすめです。金髪長身の美男美女も多く、北欧=おしゃれのイメージがいちばんしっくりくる国。フェリーで行ける島や田舎の方は自然が豊かで、ストックホルムとはまたひと味違った素敵な雰囲気が味わえそうです。
 

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フィンランド Suomi
フィンランドは、森と湖にかこまれた、とにかく素朴な国です。治安もよく、ゆったりとした時間の流れる場所。なんにもないのに、帰ってくるとどこの国よりもほっとする、そんな居心地の良さがこの国のいちばんの魅力だと思います。

24. フィンランド人の働きかた

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フィンランドに住んでいる日本人の友だちと話をしていたら
フィンランドに来てから、ゆっくりした時間の過ごし方を楽しめるようになった」という人が何人かいました。
 
あれこれ予定をつめこみがちな忙しい都会の生活と、
ここフィンランドのゆったりした暮らし。
いったい、なにが違うのかな?と考えてみたときに、働きかたや、仕事に対する考え方も、大きなちがいのひとつのような気がしました。
 
まず、フィンランドのふつうの会社の定時は、8時から16時です。
時間内に仕事をきちんと終わらせて、残業はほとんどしません。だからといって、怠け者というわけではなく、そのぶんオンのときにしっかりと集中して働きます。
夜ごはんは基本的に家で食べるものなので、あまり飲んで帰るという習慣もないようです。(いつも家族と過ごしたいというわけでもなく、単純に外食が高いからだそう。こういう正直なところもすごくフィンランド人らしい。)
 
でも、16時に仕事が終わったサラリーマンは、その後は何をするんだろうと思ったら、スポーツをしたり、自然とふれあったり、趣味やリフレッシュに使う時間なのだそうです。
1か月ある夏のバカンスでは、多くのフィンランド人は湖水地方にサマーハウスをもっているので、都会をはなれ、自然の中でのんびり過ごします。
 
フィンランド人の友だちに聞いてみたら、
フィンランドの人たちにとって、バランスがとっても大切だということ。
仕事・自由時間・睡眠の3つのバランスがきちんと保たれることで、しっかり寝て、朝から仕事も集中して、きもちよく過ごすことができるのです。
 
オンとオフの切り替えが、彼らにとって、とても大事なのだと話してくれました。
 
どれだけ多くの時間を会社に費やすかが評価されがちな日本とは、根本的なところから考え方がちがうようです。
 
そして、やっぱり彼らが大好きなのは自然…!
夏場の金曜日は、3時くらいから(ピクニックするため)連絡がとれなくなるという話もよく聞くほど。
これで社会全体がまわっているのだからすごい。不思議だなぁ。
 
でも、こんな風に、好きなものや生き方がシンプルで、
自分たちの暮らしを大切にしているフィンランド人は、
なんだかとっても健康的な人たちのように思えるのでした。

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23. 森で積んだブルーベリーのマフィン

フィンランドの人たちは夏に、
森にブルーベリーを摘みに行きます。
 
はじめて聞いたとき、なんてメルヘンチックな…!と思いましたが、
雑貨屋さんなどでも、ブルーベリー摘み用のアイテムがふつうに並んでいるのをみて、どうやらごくふつうのことなのだと、納得しました。

 
日本では、りんご狩りもいちご狩りも、
なにかとお金のかかる日帰りツアーになっているので、
最近はあんまり気が向かず、すっかり遠のいてしまいました。
 
ところが、フィンランドの場合は、だれにお金を払うわけでもなく、
誰でも勝手に、ごく気軽に、ブルベリー摘みを楽しむことができます。
みんなで楽しむものなのだそうです。でも、ひとりじめはだめ。
 
欲ばる人とか、悪いことをたくらむ人とかいないのかな…と思ってしまいますが、そういう人たちがフィンランドにはいないから、この季節のめぐみが続いているのでしょう。
いいものは、みんなで分け合うという考え方が根づいているんですね。

こちらは5月ごろのヌークシオの森で見かけたブルーベリー。
まだ実ができはじめているところです。
 
今年はちょうど、ブルーベリー摘みの季節に一時帰国をしていたので参加できませんでしたが、彼が森で摘んできてくれたブルーベリーが冷凍庫で眠っていたのを発見!マフィンにタルト、ジャム、ベーグルと、ちょっとずつ使って、たくさん味わうことができました。
 
ヌークシオの森のブルーベリーさんたち、ごちそうさまでした。
また来年もたくさん実をつけてくださいね。

22. 北欧おしゃれ先輩、スウェーデン

2015年7月のはじめ、金曜の夜出発で、2泊3日というタイトなスケジュールで、
初めてのスウェーデンストックホルムに行ってきました。
 
スウェーデンといえば、IKEA、リサ・ラーソン。長靴下のピッピ。
映画『ショコラ』や『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』のラッセ・ハルストレム監督の故郷。映画『スウェディッシュ・ラブストーリー』にでてくるような金髪長身のスウェーデン人。
でも、フィンランドとおなじで、来てみるまでは、正直あんまりイメージがわきませんでした。
 

実際におとずれたスウェーデンは、さすがかつての北欧の大国!
ストックホルムの街は、古くて美しい建物が並んでいて、景観がどこも凛としていて、すきがなく、颯爽と歩いているスウェーデン人たちも、洗練された雰囲気で、なんだかすごい都会に来ちゃったぞ!というのが、第一印象でした。

 
ヘルシンキの、のんびり田舎っぽい暮らしにすっかりなれていたので、
急に、ハイセンスのところにきてしまって、ドキマギしてしていたわたしたち。
口から出ることばは「なんかこの街、かっこいいね」でした。 
 
旧市街のガムラスタンには、スウェーデンブランドを集めた雑貨屋さんや、
アーティストのお店など、気になるお店もたくさん。
街の南側のセーデルマルム地区には、こじゃれたカフェが並んでいて、
まさに、日本人の思い描く、北欧=おしゃれなイメージがぴったりあてはまる街でした。
 
あっというまに、自然が恋しくなってしまったわたしたちは、
翌日はフェリーで、Fjäderholmarna(フェーデルホルマルナ)という一番近くの島でピクニック。ヘルシンキでよく見かける雁の親子を、こちらの島でもみかけて、ほっこりしたのでした。
貴重な夏日はスウェーデンフィンランドも同じ。スウェーデン人の家族たちは楽しそうに水遊びをしていましたよ。
 
今回わたしたちは飛行機で行ったので、片道1時間ほどでしたが、
ヘルシンキストックホルムは、船でいくのもとっても良いらしいです。
いつかまたチャンスがあったら、グスタフスベリやゴットランド島スウェーデンの田舎の景色を見に行きたいな。